準備編 栽培計画 土・畑を知る

準備編 栽培計画 土・畑を知る

 さて、今回は準備編 栽培計画の最終回ということで、これまでは野菜のことについてお話してきましたが、「土」また「畑」のことについて、詳しく考えてみたいと思います。とはいっても、これまで野菜のことについてお話してきたことと通じる部分が多いですので、前回までの内容を思い出しながら関連付けて考えてもらえると分かりやすいと思います。

 まずは、実際に作る畑のpHについて。

「野菜を知る2」で、お話したように野菜にはそれぞれ適したpHがあります。まずは、ご自分が作る畑のpHを調べてみることです。その上で、そのpHに適した野菜を選んで栽培するというのが最も適した方法です。pHは同じ畑でも、場所によってばらつきがありますので、細かく調べてもよいですし、数箇所(四隅と中央くらい)をとってよく混ぜ、平均的な数値を調べるというやり方もあります。どちらにするかは、ご自分の栽培計画に合わせて選べばよいと思います。ご自分で調べる場合は、土壌酸度測定器土壌酸度測定薬で、調べる方法と草の種類で見分ける方法などがあります。

器具などがなく自分では難しい場合や、後からお話しますが、畑の養分状態なども合わせて確認したい場合は、お近くの農協などに「土壌分析をしたい」と問い合わせてみるとやってくれるところがあります。ご家族などで農協の組合員などになっている方がいれば、無料でやってくれるところもありますので聞いてみてください。

 先ほど出てきた、畑の養分状態について。

 作物作りに必要な養分で代表的なものが「窒素(N)」「りん酸(p)」「カリ(K)」で3大要素とも言われます。それ以外に「石灰」「苦土」「ナトリウム」「腐植」などがあります。それにpHなどの数値をみて、土の状態を判断します。これを調べるのが「土壌分析」というもので、頻繁にやる必要はありませんが、ある程度知って作付けをすると失敗も少なくなりますので、しばらく使ってない畑で何年かぶりに野菜を作る場合などは特に調べておくとよいと思います。一度もやったことがない場合や何年も前にやったという場合も調べてみると色々発見があるかもしれませんね。お近くの農協などに問い合わせてみてください。

 色々調べると、料金が高くなる場合もありますので、最低限知っておくとよいなというのは、「窒素」「りん酸」「カリ」と「pH」。それから「EC」という値があって「電気伝導度」ということなのですが、これが低すぎると肥料分が低く育ちが悪い、また高すぎると肥料分が多すぎて障害が出るということになり、分かりやすい目安になるので調べておくとよいと思います。詳しくはこちらのページをどうぞ。それから「腐植」の値を調べておくと、土の中の有機物の量が分かるのでこれも調べておくとよいと思います。腐食の数値が少ないと有機物が少なく「痩せた土」と考えられます。

 このような簡易キットも出ています。最低限の3要素とpHだけですが、手軽にできそうでよいかもしれません。

そして、畑の土質について。

 これは、「野菜を知る5」で触れていますが、土の性質は大きく分けて、砂のような「砂質」と、粘土のような「粘質」、その中間を「壌土」といいます。ご自分の畑の土質にあった作物を選ばれるとよいと思います。また、一般的に「砂質」の土壌は養分が長持ちしないので、肥料を少なめに回数を多く与える工夫が必要です。また「粘質」の畑は長持ちしますので、やり過ぎないようにきをつけましょう。

それから、畑の性質。

 これも「野菜を知る5」でお話していますが、土質とも関係の深い畑の水はけ。水はけがよいほうが、畑としてはよいのですが水はけが悪い場合は水分が多い場所を好む野菜などを選んで植えるなどの工夫が必要です。逆にかなり乾燥しているところは、水分が少ない場所を好む野菜を植えてみましょう。水はけが悪い場所は、畝の高さを高く、またよい場合は、畝の高さを低くするのもよい方法です。

そして、畑の日当たり。日のあたり具合や日照時間のことです。同じ畑でも、周りに建物や大きな木などがある場合は場所によって変わってきますので、その場所にあった野菜などを選ぶとよいと思います。

それから、畑の風通しも大事な要素です。風通しが悪いと病虫害が発生しやすいということもありますので、風通しが悪い場合は、畝幅を広く取るなどの工夫をしましょう。

 畑・土の特性と野菜の特性両方をとらえて、どちらにも無理のないところを選択することで、難しくない野菜作りの第一歩になると思います。野菜を植えてから変更はできませんから、準備段階でしっかり考えてみてくださいね。次回は、準備編 栽培計画の最終回、「栽培経験」についてお話します。

つづき   準備編 栽培計画 栽培経験

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