準備編 栽培計画 野菜を知る 4

野菜を知る 4. 野菜同士の相性

 前回、野菜の連作、輪作についてお話をしましたが、ちがう野菜やちがう「科」の野菜でも、相性が悪く続けて植えると後から植えたものの育ちが悪くなるという組み合わせがあります。

さまざまあるのですが、夏野菜で代表的なものに以下のような組み合わせがあります。

 

前作→後作 相性の悪い組み合わせ(雑誌 野菜だよりから一部抜粋)
前作 後作
ジャガイモ トマト、ナス、ピーマン
セロリ、ハクサイ スイカ、メロン、サツマイモ
レタス スイカ、エダマメ

 

 逆に、相性がよい組み合わせもあり、続けて植えると後から植えた野菜の生育がよいといわれているものもあります。

 

前作→後作 相性のよい組み合わせ(雑誌 野菜だよりから一部抜粋)
前作 後作
トマト ブロッコリー、ハクサイ、シュンギク
トウモロコシ ダイコン、ハクサイ

 例えば、トウモロコシは吸肥力が強く、育てると土壌をきれいにしてくれる働きがありますので、ダイコンに限らず根菜類を作る前に一作トウモロコシを育てておくと、後の根菜類がきれいにできるなどということがあります。

吸肥力が弱いものもありますし、虫が多くよってくるもの、虫が嫌うものそれぞれの野菜の特性がありますので、それらを生かして栽培することで薬に頼らずにきれいな野菜を収穫することが可能になってきます。

 私の畑は「少量他品目栽培」ですが、たくさんの種類を栽培することによって色々なメリットがあります。

特定の害虫や病原菌が多量に発生することを抑制できますし、例え何かがうまく作れず収穫できなくても、その他のもので補うことができます。一枚の畑でも水はけのよいところ悪いところ、日当たりのよいところ悪いところなど特性もあり、それぞれにあった野菜を選ぶことで自然とその野菜にあった環境にしてやることもできます。

 また、混植やコンパニオンプランツも積極的に取り入れています。

コンパニオンプランツとは、共栄作物ともいわれ、近くに植えて一緒に栽培することで互いの成長によい影響を与え共栄しあうとされる植物のことを指します。よい影響とは、育ちがよくなる、味がよくなる、病虫害を抑えるといったことになります。

 例えば、トマトの畝にエダマメを一緒に植えるとトマトの好きな乾燥気味の畝になり味がよくなるとともに、エダマメの根に付く根粒菌という窒素の影響で、養分も補給されます。また、トマトの畝にバジルを植えると風味がよくなり美味しくなります。

キュウリの根に、ネギの根を絡ませて一緒に植えることで、つる割れ病といった病気を予防することができます。

 混食することは、小さな面積の家庭菜園では場所を最大限に使うことにもつながり、たくさんの種類の野菜を楽しめますのでメリットも大きいと思います。どんな野菜の組み合わせが効果があるのか、考え実践してみるのも野菜作りの楽しみの一つに加わりますね。

 コンパニオンプランツについては、近年色々と研究されて本も発売されているので、お近くの本屋さんなどで探してみてください。この連載の最初に紹介した書籍の雑誌「野菜だより」でも色々と取り上げられています。また、野菜の組み合わせについては同じく紹介した書籍の「あなたにもできる野菜の輪作栽培」に詳しく載っています。

 次回は野菜の特性についてです。

つづき    準備編 栽培計画 野菜を知る5

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