準備編 現場準備3 緑肥による土づくり

 皆さん「緑肥(りょくひ)」というものをご存知でしょうか。

緑肥とは、作物を肥料にするために育て、収穫せずそのまま田畑にすきこみ、つまり、植物と土を一緒にして耕し、後から栽培する作物の肥料にすることを言います。また、そのための植物のことも緑肥とよび、緑肥用の作物として種などが種苗会社から販売されています。

 今はあまり見ることがなくなりましたが、以前は収穫した後の水田にれんげをまき、春になるとピンク色の花が一面に咲いて美しい風景でしたが、あれも緑肥の一種です。マメ科の草は空気中の窒素を根に固定し、その後畑にすきこむことで肥料分になります。

 緑肥となるものは色々ありますが代表的なものは、イネ科の麦やソルゴー、マメ科のクローバー、れんげ、ヘアリーベッチ、クロタラリア、キク科のマリーゴールドなど。イネ科は吸肥料が強く土の中をきれいにしてくれますし、地上部は肥料となります。キク科も病虫害を抑える働きがあります。マメ科は先ほど書いたように、窒素を固定し土を肥沃にしてくれます。

 私はマメ科の「セスバニア」という作物を緑肥とし、白菜などを作ってみましたが驚くほどよくでき、4キロほどの大きさのものが収穫できました。この「セスバニア」はマメ科特有の窒素固定の性質のほかに、根を深く伸ばし水はけが悪い場所の土質改善に大いに役立つということで、特に水はけが悪いところで作ってみました。

 私が緑肥をお勧めする理由は、土づくりが省力化でき、かつ土づくりにとても効果があると感じるからです。

 自分で堆肥を作るには、技術も必要ですし、材料集めから場所、労力としてもなかなかのものですし、良質の堆肥を購入するには費用がかかります。緑肥での土づくりは、費用も少なく種をまいて刈り取りをすれば、あとは畑の微生物に働いてもらうだけで土づくりが出来ます。ただ、種まきから刈り取りし、肥料として分解される時間が必要ですので、実際に栽培する作物を決めた上で逆算して緑肥の栽培を始めることが大切です。

 以下は、昨年私が行った手順などをあらわしてみましたので、参考にしてみてください。

5月 畑作り  緑肥をまく畝を作っておく。

6月 セスバニア種まき 畝に種をばら撒きし、レイキで混ぜて土をかける(適当にまぜるだけでOK)

8月 草刈機で20~30cmほどの長さに切りながら、刈る。分解を早くするため少量の堆肥をふりかけ、レイキなどで軽く混ぜ    合わせる(土にはまだすき込まない)分解を早くするために、防草シートをかけましたがなくても大丈夫だと思います。

9月 残っている硬い茎などを通路に落とし、畝の上のみ軽く耕して、白菜などを定植。通路にそのまま敷いておいてもよいし、白菜の周りにマルチ代わりにしいておいてもよいです。これも徐々に分解され土づくりに役立ちます。

 草刈機がなければ、鎌でやってもよいと思います。初心者でも難しくないと思いますし費用的にも楽ですので、興味のある方はぜひ緑肥栽培を取り入れてみることをお勧めします。

 

つづき        準備編 記録

記事一覧   無農薬野菜を作ろう!目次

ご質問、ご感想などトップページの中ほどにある「あなたの畑 診断します」のバナーから入ったフォームより、お寄せください。