無農薬野菜を作ろう 苗の選び方・苗と農薬

 前回は苗を買う場所についてお話しましたが、では実際どのように苗を選べばよいのでしょうか?ポイントをいくつかお話します。

 苗は小ぶりでがっちりと育っているものをお勧めします。

例えば、葉っぱが10枚くらいのトマトの苗が2本あって、ひとつは背丈が20センチほどで葉っぱも小さめ、もうひとつは25センチくらいあって青々とした大きな葉っぱが付いているとしたら、どちらを選びますか?

私がお勧めするのは前者の20センチほどの小さなものです。苗は畑に植えられるとまず根を伸ばさなくてはなりません。それなのに地上部に大きな葉っぱを持っていては栄養分や水分が届かずしおれてしまいます。しおれることは悪くありませんが、葉っぱが大きければ大きいほど、しおれたときのダメージが大きく日差しや風を受けてかれてしまったり、根を伸ばすことにも負担となります。

 あまり小さすぎるのもよくないですが、葉っぱがゆれるような大きなものよりも、茎ががっちりと太く、ぴんと張った葉っぱのものを選ぶようにしましょう。葉の色も鮮やかな緑よりは少し薄い葉色のものを選ぶとよいと思います。

 葉っぱと葉っぱの間(節間といいます)があまり広くなく、等間隔に葉が付いているものが理想的です。苗を真横から見て、葉の付き方も見てみましょう。

 それから必ず見てほしいのは根元です。根元がぐらぐらしているのは根が切れている証拠です。根元がしっかりとして、振ってもぐらぐらしないものを選びましょう。ただ強く振るとその振動で根が切れてしまうので、苗を選ぶ際の扱いには注意してくださいね。苗を扱うときは、茎や葉っぱを持たず、植えてあるポリ鉢を持つようにしましょう。そして、根元のあたりの葉っぱが黄色くなっているものや落ちてなくなっているものも避けましょう。苗が古い証拠です。根が巻きすぎて、畑に植えてからスムーズに根を伸ばせません。

 それから、市販されている苗には大抵農薬がかけられています。もちろん、苗の種類によってはかかっていないものもありますが、どのようなものがかかっているか知りたい方はお店の方に聞いてみましょう。ホームセンターでも種苗店でも、苗をお店に卸す際に「農薬使用履歴」といって、どういう種類の農薬を何回かけているかという証明書をもらっているはずですので、教えてくれると思いますし、お店によっては掲示してあるところもありますから確認してみましょう。

 温度も急激に上がってきて、すでにたくさんの苗が出回っていますね。苗の良し悪しが夏の実りに影響します。いい苗を選んでくださいね。定植は地域によりますが、ゴールデンウィーク前後が適期です。

 

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